(終了)新春セミナー2024【ハイブリッド】

(終了)新春セミナー2024【ハイブリッド】

「創造的な異分野交流を目指して」
~材料・プロセスからデバイス開発、社会実装への展望~

  • 日時:2024年1月9日(火)13:20~17:30 
  • 場所:早稲田大学 西早稲田キャンパス 55N号館 1階 第二会議室
  • 開催形式:ハイブリッド
  • 参加費:
会員種金額
日本電子材料技術協会 会員(法人・個人・学生)無料
非会員3000円
学生1000円
  1. 磁気記録の現状と展望/ 物質・材料研究機構 高橋有紀子
    • IoTならびにDXの進展によるデジタル情報の爆発的な増加に伴い、デジタル情報を保存するデーターセンターの大容量化が求められている。ハードディスクドライブ(HDD)はデータセンターのメインストレージであり、更なる大容量化の社会要請がある。そのために現在はHDDの中のプラッター(円板状の磁気記録媒体)を増やす方向で対応しているが、省エネ的に得策ではない。持続可能な社会の実現のために省エネは常に求められており、データセンターも間違いなく省エネでグリーンなものへと変革していく必要がある。本講演では、我々が行っている高密度化と多値記録化の2つの研究について紹介したい
  2. 共沈法と水熱法を代替できる量産合成法としての水加速固相反応 その課題と解決法/ 新潟大学 教授 戸田 健司
    • 我々は、水加速固相反応WASSR (Water -Assisted Solid-State Reaction) 法という新規な低温合成法を開発した。WASSR法は目的生成物の約10 wt%に相当する水を、混合した原料に加えるという操作のみで低温において固相反応が進行する合成法である。溶液法と比較しての大きなメリットは, 溶解性のない安価な原料を用いることができること、および添加する水の量が少ないため大量生産時に取り扱う物質量を減らせるという二点である。生成物は、原料に関係なく5~20 nmのサイズを持つ結晶子またはそれが凝集したナノサイズの粒子として得られる。本講演では、WASSR法により合成したナノ粒子が実際に将来のデバイス化に適用できるものであるかを確認した研究結果を従来の低温合成法と比較して述べる。
  3. パルス回路による新しい機能材料プロセスの開発/ 長岡技術大学 教授 中山忠親
    • パルス回路は短時間に大きなエネルギーを印加できるため、加速器、プラズマ科学などの領域で研究されている。これに対し、半導体スイッチング素子の開発により、卓上型の小型パルス電源が安価に作成できるようになったことで、より身近な用途で活用が進んでいる。本講演では、誘電体の分極処理、粒子の配向処理、エレクトレットの作成などにパルス回路を用いた例を紹介し、その有効性について述べる。
  4. 機能的マテリアルとセンサ・アクチュエータ・ロボットへの展開/ 早稲田大学 教授 澤田秀之
    • 現在、様々な分野で広く使われているロボットは、機械機構、電気電子制御、情報工学、通信工学技術を基に設計、構築されたシステムといえる。特に産業分野では、速くかつ精密に動作させることで、ロボットによって商品の大量生産を可能としてきた。一方、人間の生活空間で活躍できるロボットも昨今、さかんに研究開発が進められているが、身体構造や動作の柔軟性や、人間との適応的な接触インタラクションにおいては、多くの課題がある。本講演では、マン・マシンインタラクションの観点から、物理現象や化学反応などを利用して新しい機能として取り出し、これをセンサ、アクチュエータ、ロボット技術に応用する研究について紹介する。
  5. 材料・プロセスシーズの創出から産学連携、社会実装への取り組みと課題~AD法研究での経験から~/ 産業技術総合研究所 明渡 純
    • 昨今、日本の産業競争力の低下とその強化が様々な形でメディアで取り上げられ、社会から科学・技術への関心と期待が高まる中、「社会課題の解決」、「イノベーションの創出」、「起業・スタートアップ投資」、「社会実装」という言葉がいろんな局面で飛び交うようになりました。これまで80年代から始まった基礎シフトの流れの中で「知の創造」や「独創技術の創出」に重きを置いてきた大学や公的機関の役割も大きく変化しつつあります。本講演では、AD法における常温衝撃固化現象の発見から社会実装に至る自身の経験を踏まえ、民間企業との共同研究、国家プロジェクトの運営と民間企業での製品開発や事業化実現までの難しさやブレークスルーのキッカケを紹介し、異分野協創や学術の多様性の有り様、必要性を議論したいと思います。

【振込み先】

銀  行:みずほ銀行 新宿西口支店
口座番号:普通 2081278
名  義:日本電子材料技術協会(ニホンデンシザイリョウギジュツキョウカイ)

【お問い合わせ先】
日本電子材料技術協会事務局(兵藤、相馬、木村)email : jems@jems1962